INFJはWebディレクターに向いてない?
「Webディレクター 向いてない人」
「Webディレクター 適性」
「INFJ 適職」
実はこの言葉、私が過去に検索していた言葉です。
INFJ(提唱者)という性格タイプをご存知でしょうか。
自分の性格を全16タイプのいずれかに当てはめる「MBTI」というテストにおけるタイプのひとつです。内向型・直観型・感情型・判断型の頭文字を取ってI-N-F-Jであり、人口の1〜2%しかいない希少なタイプだと言われています。
私はこのINFJに当てはまります。人と関わることに疲れやすく、内向的。
そんな私が、未経験からWebディレクターになって、今どうなっているか。今日はその話をしようと思います。
正直、向いてないと思ってた
当時は、未経験からマーケティングチームに異動になり、なんとか複数の施策をこなして来たけれど、本当に「やれることはなんでもやってきた」状態。他のメンバーは、デザイナーだったり広報だったりと明確な職種名や業務があるのに、私だけ「とりあえずこの人に任せれば何とか形にしてくれる」みたいなふわっとした新規プロジェクトを常にこなしていて、それはそれで自分の価値だと思っていたけれど、一方で、「自分はこれが専門領域です」と胸を張れるものがないのが悩みでした。
そこで「〇〇のことならshihoさんだ、と言われるくらいの専門性を身に着けたい」と上司に相談したところ、勧められたのが「Webディレクター」でした。
その一言をもらったとき、正直かなり不安でした。もともと自己評価が低かった私は、「未経験の私が、デザイナーやエンジニアといった様々なプロの間に立って、Webという未知の領域でとりまとめを行うことが、本当にできるのだろうか」と、ずっと考えていました。
でも、できるかどうかはやってみないと分かりません。そしてその時の私には、「いいえ、私はこれを極めたいんです」という他の領域も特に思いつきませんでした。なので、まずはやってみることにしたのです。
実際にやってみて分かったこと
結論から言うと、精神的に疲れることは、毎日のようにあります。それはなぜかというと、Webディレクターは常に板挟みの立場だからです。
たとえば、マーケティング側で考えた施策が、営業の理解を得られない。上司と役員でプロジェクトに対する方針が真逆で、上司とすり合わせを重ねてやっと固まった内容が、完成間近になって役員にひっくり返されたなんてことも数えきれない程ありました。そのたびに、間に立って調整し直すところからやり直しです。
きれいごとだけを言うつもりはありません。この仕事は、誰かと深く関わるほど消耗してしまう私にとって、決して楽な仕事ではないです。共感力が高いから他人にも必要以上に感情移入してしまったり、細かい表情や言動で本音が透けて見えてしまったり、INFJならではの特性がつらく感じる場面もたくさんありました。
それでも、なぜか周りの人には恵まれてきました。
実は、私に向いていた
「shihoさんがいてくれて助かった」——そんな言葉をもらうことが何度かありました。
知識も経験もないから、常に自信がない。そんな私が、なぜそう言ってもらえたのか。振り返ってみると、INFJの特性としても挙げられる私の性格が、Webディレクターという「様々な立場の人の間に立つ翻訳家」のような仕事に、実は噛み合っていたのだと思います。
利他的で、調和を重んじる姿勢
第一に、自分の思い通りにコントロールすることよりも、全体最適を優先して考えるようにしていました。意見が対立したときも、自分の意見を押し通すのではなく、お互いが納得できる道を探すようにしていました。
「私はこういう背景があるからこの案がいいと思っている」と自分の意図を伝えると、それだけで納得してもらえることもありますし、逆に相手の意図を聞いてみると、実は目指しているところは同じだったりすることもあります。「どちらの案が優れているか」ではなく、「どんな形が一番目的に沿っているか」を、お互いが納得できる落としどころとして探る。それを繰り返して関係性を構築してきました。
ぶれない軸
調和を重んじる一方で、自分の意見や信念はしっかりと持っています。なので、「なんか違う」という意見を調和のために採用する、といったことはしませんでした。デザイナーやエンジニアの意見を聞きながらも、「このサイトを何のために作るのか」「読者にどんな情報を届けたいのか」という軸だけは、いつも自分の中に持っていました。意見が分かれたときの着地点を決める基準は、いつもそこに立ち返ることでした。なので、他の人から見たときにも、一貫性がある人物として見てもらえたのだと思います。
誠実さ
知ったかぶりをしない、上流工程だからと偉そうな態度を取らない。常に周りの人から学ぶ謙虚な姿勢を意識していました。
事実、当時の現場の中で一番の素人だったのは自分です。取り繕ったところで何の意味もありません。
それなら、未経験だからと許されるうちにたくさん聞いておこうという気持ちでした。たとえば、画像内のテキストを変更したいとき「デザインの修正も必要か」とエンジニアに聞いたら「ここはコーディングだけで直せるよ」と教えてもらったり、デザイナーから「二次元コードは最低限この大きさがないと読み取れないよ」と教わったり。分からないことは分かったふりをせず、まず調べて、それでもわからなければ素直に聞く。素直に聞き入れる姿勢を意識していると、「こっちのやり方の方が良いよ」と追加でアドバイスをもらえたりすることもあります。そうやって、現場のプロたちに育ててもらいながら進めてきました。
最後までやり遂げる推進力・実行力
これは責任感の強さから来る部分ですが、何事も、途中で「できない」と投げ出すことはしませんでした。未知の分野でも、未経験だからと言い訳にせず、必要な情報を集めて、自分なりに設計し、責任を持って最後までやり切ることを続けてきました。
思えば、Webディレクターになる前から、この「前に進める力」「やりきる力」を評価されて、様々な新規プロジェクトを任されていたんだと思います。そして実際にWebディレクターになった直後も、まったくの未経験だった状態から、3か月で自社サイトを2つ同時に立ち上げるという難易度の高いプロジェクトも実現できました。(この時の話は以下の記事で詳しく書いています。)

だから私はWebディレクションが好き
今でも、板挟みで苦しんだり、伝え方に悩んだりすることは、毎日のようにあります。
それでも、誠実に向き合っていれば、周りの人が助けてくれる。だから私は、Webディレクターをしている今の自分が好きです。
もし今、「自分はWebディレクターに向いていないかも」と思っている人がいるとしたら。
その「向いてない」と思っている性格の中にこそ、武器になる部分があります。私自身がそうだったように。

