Webディレクターへの転職活動でも、ポートフォリオの提出を求められることがあります。
とはいえ、未経験の場合「見せられる実績なんて何もない」と感じてしまう方も多いのではないでしょうか。デザイナーであれば制作物をそのまま見せられますが、Webディレクターの場合、何をどう見せればアピールになるのか、分かりにくいところがありますよね。
この記事では、未経験からWebディレクターへのキャリアチェンジを目指す方に向けて、ポートフォリオの作り方と、何をアピールすればいいのかをまとめます。
ポートフォリオで何をみせればいいのか
そもそもWebディレクターにポートフォリオは必要?
結論から言うと、ポートフォリオは必須ではありません。実際、提出を求めていない求人も多くあります。ただ、ポートフォリオがあることで、自分のスキルや経験を伝えやすくなるのは事実です。
まず、職務経歴書だけでは伝わりにくい部分を補えます。職務経歴書は「どんな業務を担当したか」を書く書類なので、実際にどう考え、どう行動したかまでは上手く伝わりません。
また、自分の得意分野を具体的に伝えられます。文章で「〇〇が得意です」と書くより、実際の制作物や取り組みを見せた方が、説得力があります。
そして、「その人がどんな人か」を表現できるという側面もあります。何を大事にして、どう考えて動くのか。ポートフォリオには、そうした人柄が自然とにじみ出てきます。
デザイナーとは”見せるべきもの”が違う
デザイナーのポートフォリオは、基本的に「どんなデザインを作ったか」を見せるものです。実際の制作物そのものが、スキルの証明になります。
一方、Webディレクターの仕事は、デザインやコーディングそのものを手がけるわけではありません。そのため、完成した制作物だけを並べても、自分が何をしたのかは伝わりにくいのです。
Webディレクターのポートフォリオで見せるべきなのは、「自分が何を考え、どう行動して、その結果どうなったか」というプロセスです。どんな課題に対して、どんな判断をし、どう関係者を動かしたのか。その内容にこそ、ディレクターとしての力が表れます。
見られているのは、実績の大きさではなく「考え方」
ポートフォリオと聞くと、「大きな案件や有名なサービスの実績がないと恥ずかしい」と感じる人もいるかと思います。でも、選考で実際に見られているのは、実績の規模そのものではありません。
例えば、社内ツールの小さな改善でも、個人で作った架空のサイトでも構いません。大切なのは、その中で「何を課題だと捉え、どう考えて、どう動いたか」が見えることです。
だからこそ、未経験からでも、実績が少なくても、ポートフォリオを作ることは十分に可能なのです。
未経験でもポートフォリオは作れる
ここまで読んで、「自分は実績がないけどどうしたらいいのか」と不安に思う方もいるかもしれません。実績がない場合でも、ポートフォリオは作れます。ここでは、未経験からでも今すぐ始められる3つの方法を紹介します。
個人でブログ・サイトを運営する
自分でブログやサイトを立ち上げて運営すること自体が、そのままポートフォリオになります。テーマ設計や記事構成、公開後の改善など、企画から運用までを自分で考えて動かした経験は、Webディレクションの実務に近い動きです。テーマが決まらない場合は、自分のプロフィールサイトを作るのもおすすめです(このブログを例にした具体的な話は、後の項目で詳しく触れます)。
架空サイトの改善提案を作る
既存の企業サイトやサービスサイトを選び、「もし自分がディレクターだったらどう改善するか」を考えて提案書にまとめる方法です。課題整理から改善提案までの思考プロセスを形にできるので、実務経験がなくてもアウトプットとして十分に成立します。
副業・ボランティアで小さな実績を積む
知人の店舗やNPOサイトの運用を手伝う、クラウドソーシングで簡単な更新作業を受けるなど、小さな実績を積む方法です。規模は小さくても、実際に誰かのために動いた経験として、説得力のある実績になります。
なお、前職の経験も、これらの実績と組み合わせてアピールできます。営業出身ならクライアントとの折衝経験やコミュニケーション力として、ポートフォリオの中で触れておくと良いでしょう。
ポートフォリオの形式は、PDF、Webサイト、Notionなど、特に決まりはありません。まずは自分が伝えやすい形式で作ってみることが大切です。
【実例】このサイトも、私のポートフォリオのひとつ
このサイト「ディレ活」を立ち上げたのは、未経験で営業からWebディレクターへ転身した後に、情報の見つけにくさに苦労した経験がきっかけです。ノウハウはあちこちに溢れているけど、入門者向けの情報が見つけにくかったり、実務に活かす方法がわからなかったりと、毎日悩みながら試行錯誤を繰り返して現在に至っています。そのため、同じように未経験からWebディレクターを目指す人の力になりたい、そして自分がこれまで得た経験や知識をアウトプットしたい、という思いがありました。
サイトを作る前には、誰に何を届けるか、どんなコンセプトで、どんなカテゴリや記事構成にするかをひとつひとつ考えました。そのうえで、サイト設計からデザイン、WordPressの設定、コンテンツ制作、SEO対策、Instagramアカウントの立ち上げまで、公開に向けて自分でひとつずつ形にしていきました。この過程で考えたことや試行錯誤については、また別の記事で詳しくお伝えできればと思っています。
先に開設していたInstagramアカウントでは、まだ3投稿の段階でフォロワーが30人を超え、想像していたよりも早く反応をいただけており、嬉しく感じています。このサイトも公開してすぐにアクセスがあり、これから少しずつ読んでくださる方を増やしていきたいと思っています。
こうして書いてみると、このサイト自体が、私にとってのポートフォリオのひとつだと言えるかもしれません。
ポートフォリオに入れておきたい3つの要素
実際にポートフォリオをまとめる際は、次の3つの要素を意識すると、伝わり方が大きく変わります。
1. 制作の目的・課題設定
「何のために、何をつくったか」を明確にしておきましょう。目的や解決したい課題が伝わることで、読み手はその制作物の背景を理解しやすくなります。たとえば架空サイトの改善提案なら「このサイトのどんな課題を解決するための提案か」、ブログ運営なら「誰に、何を届けるためのサイトか」を、それぞれ言葉にしておくとよいでしょう。
2. 自分が担当したプロセス・役割
チームで制作した場合は特に、「自分が何をしたか」を具体的に書くことが大切です。企画立案から進行管理まで、自分が担った役割をはっきりさせることで、実力を正しく伝えられます。副業やボランティアでの制作なら、限られた範囲でも「自分がどこまで考え、動いたか」を丁寧に書くことで、実務に近い動きをしていたことが伝わります。
3. 工夫した点・そこから学んだこと
「なぜそうしたのか」という工夫の背景や、そこから得た学びを添えることで、単なる作業報告ではなく、自分で考えて動いたことが伝わります。うまくいかなかった点や、次に活かしたい反省点があれば、それを含めるのも良いでしょう。ここでの気づきは、面接で「学んだこと」を聞かれた際の答えにもそのまま使えます。
この3つを意識してまとめれば、たとえ小さな制作物でも、あなたらしいポートフォリオになるはずです。
まとめ
Webディレクターのポートフォリオで大切なのは、制作物の大きさや実績の派手さではなく、「何を考え、どう動いたか」というプロセスです。未経験の場合も、これまでの経験や自主制作を活かせば、十分にディレクションスキルを伝えることができます。
「実績がないから作れない」と考えず、まずは自分にできることから整理してみましょう。ブログやサイトの運営、架空サイトの改善提案、小さな副業やボランティアなど、始め方はいくつもあります。
未経験だからこそ、大きな実績ではなく「考える過程」そのものが武器になります。ここで意識したことをひとつひとつ形にしていけば、それは自分らしいポートフォリオになるはずです。
そもそもWebディレクターになるにはどんな準備が必要か、という話は別の記事にまとめているので、まだ読んでいない方はぜひ、そちらも合わせてチェックしてみてください。


